アクアリウムを始めようと思ったとき、最初に魚や水槽へ目が向く人は多いと思います。
しかし、水槽は一度設置して魚を入れると、簡単には交換したり移動したりできません。また、飼いたい魚や水草、サンゴによって必要な機材も変わります。
私自身、初めて魚を飼ったときは十分な知識がなく、魚の相性などをあまり考えずに購入していました。
今回は、これからアクアリウムを始める人に向けて、水槽を購入する前に決めておきたい5つのことを、私の経験を交えながら紹介します。
目次
1.どのような水槽を作りたいか決める
最初に考えたいのは、どのような水槽を作りたいかということです。
アクアリウムは、大きく分けると次の4つの方向があります。
- 淡水魚を中心にした水槽
- 水草を中心にした淡水水槽
- 海水魚を中心にした水槽
- サンゴを中心にした海水水槽
この方向性によって、必要なフィルターやライト、温度管理の方法などが変わります。
例えば、水草をきれいに育てたい場合は、ライトの明るさや二酸化炭素の添加などを検討することがあります。サンゴを飼育する場合は、さらに性能の高いライトや水流ポンプなどが必要になることもあります。
海水水槽は淡水水槽よりも、機材や人工海水などに費用がかかる傾向があります。特にサンゴの飼育は、必要な機材が増え、管理の難易度も高くなります。
最初に方向性を決めないまま始めると、後から機材を買い直したり、追加したりすることになりかねません。
雑誌やブログ、動画などを見て、「自分がどのような水槽に憧れているのか」「どの魚を飼いたいのか」を探すことから始めるとよいでしょう。
2.水槽の大きさを決める
初心者の方は、「小さい水槽の方が簡単そう」と考えるかもしれません。
しかし、実際には水量が少ない水槽ほど、水温や水質が変化しやすくなります。エサの与えすぎや掃除の遅れなどの影響も受けやすいため、小型水槽ほど管理が難しくなることがあります。
一般的な水槽セットでは、45cm、60cm、90cmなどのサイズがよく見られます。
その中でも60cm規格水槽は流通量が多く、対応するフィルターやライト、水槽台などを探しやすいことがメリットです。水槽セットも比較的購入しやすい価格で販売されています。
そのため、設置スペースと予算に問題がなければ、60cm規格水槽は初心者にも検討しやすいサイズだと思います。
最初は価格の安いフレーム付き水槽から始める方法もあります。しかし、飼育を続けるうちに、フレームレス水槽や透明度の高いガラス水槽が欲しくなることもあります。
魚を入れた水槽は簡単に交換できないため、長く使うことを考えて水槽を選ぶことも大切です。

GEX AQUARIUM マリーナ 幅60㎝フレーム水槽
3.水槽を置く場所を決める
私は最初の水槽を玄関に置きました。
玄関に水槽を置くと、外出時や帰宅時に鑑賞しやすくなります。また、水道が近ければ、水換えや掃除をしやすいというメリットもあります。
一方で、玄関はリビングなどと比べてエアコンの効果が届きにくい場合があります。夏と冬の水温管理には注意が必要です。
特に直射日光が当たる場所は、水温が上昇しやすく、コケの発生にもつながるため、避けた方がよいでしょう。
設置場所を決めるときは、次の点を確認します。
- 直射日光が当たらないか
- エアコンの効果が届くか
- 水道から遠すぎないか
- コンセントを安全に確保できるか
- 水槽の重さに耐えられる場所か
- 水槽の周囲にメンテナンススペースがあるか
水槽は、水、底砂、石、機材などを入れると非常に重くなります。家具などで代用せず、水槽のサイズに合った専用の水槽台を使用することをおすすめします。
大型水槽は水量が多いため水質や水温が急変しにくい一方、導入費用や維持費が高くなり、一度設置すると簡単には動かせません。床の強度や搬入経路についても事前確認が必要です。

GEX AQUARIUM グラステリアサイレント600ST 幅60㎝水槽(フレームレス水槽)
4.飼いたい魚の組み合わせを調べる
魚は、見た目や好みだけで自由に組み合わせられるわけではありません。
魚によって性格や成長後の大きさ、適した水温や水質が異なります。おとなしく見える魚でも、成長すると小さな魚やエビを食べてしまうことがあります。
私は水草をきれいに維持するために、ヤマトヌマエビなどを水槽に入れていました。しかし、エンゼルフィッシュが大きくなると、エビを食べるようになりました。
エビを追加できなくなったことで、水草や水槽内の景観を維持することが難しくなりました。
また、エンゼルフィッシュは比較的長生きするため、都合が悪くなったからといって、簡単に飼育をやめたり水槽をリセットしたりすることはできません。
魚を購入する前に、少なくとも次の点を確認しましょう。
- 成長後の大きさ
- 性格と縄張り意識
- ほかの魚やエビを食べないか
- 適した水温と水質
- 同じ水槽で飼える種類
- 予想される寿命
- 必要な水槽サイズ
ショップで相談するときも、現在の水槽サイズや飼っている魚を伝えたうえで確認すると安心です。

フレームレス水槽+水槽台 (幅60㎝水槽)
5.必要な機材と維持費を確認する
水槽セットを購入しても、それだけですべての飼育環境が整うとは限りません。
飼育する魚や水草、サンゴに応じて、次のような用品が必要になります。
- 水槽専用台
- 適切な能力のフィルター
- 飼育内容に合ったライト
- ヒーター
- 必要に応じた水槽用クーラーや冷却ファン
- 水換え用のバケツとポンプ
- 水温計
- カルキ抜きなどの調整剤
- 掃除やメンテナンス用品
付属のフィルターでは、飼育する魚の数や種類によって能力が不足する場合があります。機材は対応水量の上限ぎりぎりではなく、余裕を持ったものを選ぶと、管理がしやすくなります。
ただし、能力が強すぎると水流を嫌う魚に負担をかけることもあるため、飼育する生体に合った選択が必要です。
淡水用と海水用では、使用できる機材が異なることにも注意してください。淡水専用のポンプなどを海水で使用すると、部品がさびて故障する可能性があります。
商品を購入するときは、淡水と海水のどちらに対応しているか、説明書やメーカーの案内を確認しましょう。

ニッソー ウッドデコスタンド630インテリア (幅60㎝×奥行30㎝水槽用水槽台)
魚より先に、飼育環境へ予算をかける
きれいな魚を見つけると、魚そのものに予算を使いたくなります。
しかし、フィルターやライト、ヒーター、冷却設備などが不足していると、せっかく迎えた魚を健康に飼い続けられない可能性があります。
魚が体調を崩してから機材を追加するのではなく、必要なものはできるだけ飼育開始前にそろえておきましょう。
水槽本体だけで予算を使い切らず、機材や水槽台、消耗品、電気代なども含めて、余裕のある予算を組むことが大切です。
水換えと掃除の時間も考えておく
水槽は、設置して魚を入れたら終わりではありません。
定期的な水換えや掃除、機材の点検が必要です。慣れないうちは、水換えに1時間以上かかることもあります。
水換えの頻度は、水槽の大きさ、魚の数、エサの量、フィルターの能力などによって変わります。私の場合、60cm水槽では2週間に1回程度を一つの目安にしていますが、すべての水槽に当てはまるわけではありません。
魚の数が多い場合や水量が少ない場合、水質検査の結果が悪い場合などは、より頻繁な水換えが必要になります。
水槽を始める前に、定期的なメンテナンス時間を確保できるかも考えておきましょう。
まとめ
水槽を始める前に決めたいことは、次の5つです。
- どのような水槽を作りたいか
- どのサイズの水槽を置くか
- どこに設置するか
- どの魚を一緒に飼うか
- 必要な機材と維持費を用意できるか
初心者だから小さく安く始めれば安心とは限りません。小型水槽ほど、水温や水質の変化が速く、管理が難しくなることがあります。
水槽や魚を購入する前に、完成させたい水槽の姿を決め、必要な機材と予算を確認しておくことが大切です。
魚だけでなく、魚が長く健康に暮らせる環境へ先に目を向けることが、アクアリウムを無理なく続けるための第一歩だと思います。